カッサンドラの嘔吐恐怖症
結局、カッサンドラの吐き気は次の週も続いた。
それも、一番緊張しているであろう私のところから移動した金曜日の夜ではなく、週の中盤だったらしい。
子どもたちの話では、自分たちが食卓を片付けている途中で、カッサンドラの具合が悪くなったそうだ。父親はそのとき、自分の携帯電話が壊れて新しいものを緊急に購入して、それを受け取りに駅前の店に行くところだった。
カッサンドラがトイレで苦しんでいる間、父親は、オリオルに、
「もし吐くようだったら、洗面器を用意しろ。」などと指示して、二人をアパートに置いて出て行ったそうだ。
子どもたちはその話を、うちに来てしばらくしてからした。なにか偶然のきっかけがあって思い出したから、した話だ。
ほかにも妙なことがたくさんあるのではないかと思ってしまう。
この金曜日、父親宅に行く日の朝、ついに我が家でもカッサンドラが吐き気をもよおした。吐くのではないかと、とても緊張して怖がっている。
調べてみると、「嘔吐恐怖症」というものがあるらしい。