衣谷の日記

フランス在住働くシングルマザー

アスペルガー症候群的子どもの偏食

 カッサンドラの食の難しさについては、4月30日のブログ「カッサンドラの食問題 まずいものが食べられない」にも書いたが、完全解決とは行かなくても、問題が少しは解消される対処法は、ある。それを私は日々、少しずつ見つけていく。

 

 カッサンドラの味覚への過敏さは、HSPの人のそれに似ている。というより、アスペルガー症候群だとか、ハイポテンシャル系の人と、HSPの線引きは難しい。私は、そういういろいろな傾向は、裾野の方では重なり合っていると考えている。

 

 私がもともと感じていたことではあったのだけど、HSPの知り合いから聞いた話で、私は自分の考えを確認することになった。

 カッサンドラは、5つ星レストランのように上手に調理されたものが、好きだ。そうでないなら、素材そのままのほうがまし、ということになる。素材がごちゃごちゃに混ざり合う料理の場合、その具材のハーモニーやそれぞれの食感、火の通り具合など、全体的な完成度を高くするのは非常に難しいので、どうしても評判が悪くなりがちだ。だから、何とか上手く焼けた肉、何もしてないトマトやキュウリ、全体的にすっかりやわらくなった煮物やポタージュ、なら、合格点になりやすい。

 

 HSPの知り合いは、私と同じ年の女性で、お子さんもいるから、基本的に自炊。彼女の料理は、素材をこねくり回さないシンプルなものだけだ。

 彼女自身、まずいものを食べることが物理的に不可能、と言っていて、彼女の人生を変えたと言う料理本を教えてもらった。

 それが、これ。

www.amazon.co.jp

 

 肉や野菜などの素材を、秤で計って、必要なだけの塩をかけ、適正な温度で適正な時間加熱する。ほぼすべての食事を、この方法で作っている。

 調味料も、質のよい塩と脂だけ。

 この話を聞いたとき、別にカッサンドラのためにと思って聞いた話じゃなかったのに、「これはカッサンドラの気に入るかも」とすぐに思った。

 HSPは人口の20%もいるというから、そんなに変わったことじゃない。

 

 最初、冷たいフライパンに肉を載せて、ゆっくり加熱する、なんて、気持ちが悪いみたいに思ったのだけど、実際やってみると、本当に肉が固くならない。最初に出る肉汁を拭き取ると、雑味がなくなるとも書いてあって、それ通りに実行すると、確かに変な肉の臭みもなく、塩だけでも大丈夫。

 料理としてはちょっと物足りない感じもするけど、こうするとカッサンドラは前より食べられるようになった。難しいあの子に、「肉が柔らかい。」とほめてももらえるときもある。

 

 なんでもシンプルに調理するのが、アスペルガー系、あるいはHSP系の子どもの偏食には有効みたいだ。